はじめに
単に安い住宅を追求し、探すのもいいですが、アベノミクスを踏まえ、都心の物件は高騰し、非常に購入するのが難しくなっています。
私たちは2013年の設立以降、契約条件の改定や再開発等のネタがある物件をお客様のラインプランに併せ、オーダーメイドで物件をご紹介し、購入して頂きました。ここでは、購入後もローン返済が比較的安心でき、万が一の場合も売却し、住宅ローンを完済できうる東京の再開発について、統計データを用い、実際に現地に行き、レポートにまとめています。
今回は、下町の雰囲気を残しつつも近年はタワーマンションが多く建ち、古き良き街並みと新しい街並みが融合する月島駅について人口やマンション単価、犯罪発生件数等の定量的なデータを基に情報をまとめました。
月島と言えば、もんじゃ焼き店が並ぶ商店街と隅田川沿いのウォーターフロントの景色、タワーマンションのイメージが強いエリアですが、これからの展望はどうでしょうか?
今後の駅周辺開発も検討され、これからも変化のありそうな月島駅周辺について、まとめてみました。
今回は予想を超え大いに盛り上がり、一時は物々しかったコロナ禍での東京オリンピックやパラリンピック終了後、静かになった月島を見てきました。
住宅エリアとなる予定の晴海5丁目を含め、選手村販売再開等、多くの人がその利便性から見直し買いが入りそうな勢いがあり、今後の再開発次第では更なる人口増加の予想がされています。
高層タワーマンションの眼下に広がる下町情緒あふれる街並みが広がる月島は、古き良き時代感と整備された都会的な雰囲気が融合する良いとこどりの地域と言えます。
隅田川両岸に沿って整備された、「隅田川テラス」は休日にはジョギングや犬の散歩をする近隣住民の姿が見られ、憩いの場所にもなっています。去年や今年は出来ませんでしたが、これまでは毎年、夏は隅田川の花火も間近で楽しめ、風情ある時間を過ごせます。
ウォーターフロントならではのゆったりとした雰囲気の中で過ごす日常は、多忙な生活の中での癒しの時間を生み出すでしょう。街の発展と共に、新しいファミリー層も増えている月島。
この記事ではこの街の魅力を不動産購入の大事な検討要素となる「利便性」、「将来性」、「街の特徴」の観点から掘り下げていこうと思います。
1.東京、月島はどのような街なのか?
まず、月島駅、豊洲駅、勝どき駅の年収別の世帯数の割合を比較してみました。月島駅は年収1,000万以上の層の世帯数が他の駅に比べて多いことから、比較的ゆとりのある世帯が住むエリアだと言えます。
また、世帯年収の高さから考えると、単身者だけでなく、共働き世帯も多く居住するエリアであることも想定されます。新たなライフスタイルや価値観を育てる街であることを物語っています。
1-1.ウォーターフロントならではの美しい風景を日常に。
月島は、勝どき、豊洲などに並ぶ湾岸エリアで、東京湾を一望できるのが魅力です。マンションの高層階では、レインボーブリッジを含む東京都内の夜景を一望できて、ウォーターフロントの魅力を存分に味わえます。
大規模高層マンションが立ち並ぶ湾岸エリアは道路も整備がされていて、非常にきれいな街並みです。特に、海の近くは公園も多く設置されているため、街並み全体がリゾート地のような雰囲気になっていることも人気の理由です。2020年に竣工したばかりの高層タワーマンション「MID TOWER GRAND」が街の新しいシンボルになっています。
1-2.快適なライフスタイルを実現する利便性ある地域
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ただ、実際に居住するとなると、生活の利便性が最も重要な検討材料になるのではないでしょうか?
月島には、ファミリー層には欠かせないスーパーマーケットやドラッグストア、病院といったの生活施設が充実しています。スーパーマーケットは月島駅徒歩10分圏内に7店もあります。
少し足を伸ばして勝どきエリアや豊洲エリアに行けば、より沢山のスーパーもあります。平日の日常買いはもちろん、休日にサイクリングをしながらお店を巡るのも楽しそうですね。
他にも、月島と言えば、もんじゃ焼きが有名です。月島のもんじゃ焼き店は西仲通り商店街を中心に80軒以上あり、月島を観光地に押し上げました。そのほかにも創業180年余りの歴史ある佃煮屋など、伝統を守る老舗店が多くあります。
月島に住んだら、佃煮など地のものを贈り物にするも良し。お友達が遊びに来た時に月島名物のもんじゃ焼きを食べに行くのも良いですね。
また、築地まで自転車で10分程という土地柄、月島の主婦は日常よく自転車で「築地場外市場」へ買い物に行くそうです。月島の家庭では、その日築地で仕入れた新鮮な魚介を普段から当たり前のように味わうことが出来ます。月島には新旧さまざまなお店があり、この街に住む大きな魅力になります。
1-3.2路線使えて、銀座、六本木、新宿などへダイレクトアクセス
月島駅は、東京メトロ有楽町線と都営大江戸線の2路線が通っており、「有楽町」「銀座一丁目」「汐留」「六本木」「青山一丁目」「新宿」などへダイレクトにアクセスできます。
また、有楽町で山手線に乗り換えれば、ターミナル駅である東京駅まで約8分でアクセス可能です。もちろん、東京駅や銀座周辺までは、徒歩や自転車での通勤も可能なエリアです。月島は通勤にも、休日のショッピングにも便利なエリアだと言えます。
2.月島の治安は良いイメージがあるが実際は?
月島駅を管轄としている、月島警察署が発表した『過去5年間の刑法犯の推移』のデータを確認します。過去5年間で発生した犯罪件数は減少傾向でした。
3.月島エリアの再開発の概要
月島には二つの再開発が計画決定されており、ここではその二つの概要や近況をまとめていきます。
3-1.月島三丁目北地区再開発の概要
住友不動産を中心に、現在、勝どき・月島エリアで最高高さの約199mを誇る地上58階建て総戸数約1,300戸のタワーマンションの大規模再開発事業が計画されています。商店街と隅田川をつなぐ広場なども設けられる計画もあるようです。
このタワーマンションの新たな計画に伴い、保育所やデイサービスといった公益施設の拡充も計画されているようです。近・新・大とタワーマンションに必要な条件を備え、ますます住環境の向上が期待されます。
参考:住友不動産
3-2.月島三丁目南地区再開発の概要
2020年11月に東京都から組合設立の許可が下りた月島三丁目南地区再開発は三井不動産レジデンシャルや野村不動産が中心に動いています。
50階建ての大規模マンションには、720世帯の住戸や商業施設が計画されています。その他、月島の街を歩いてみると分かりますが、狭い道路も多く、この再開発で一部の道路拡幅や避難用の広場が整備される予定です。なお、着工は2022年度で、2026年度の竣工を予定しています。
ただ、計画を見ると、50階の本建物が南側に作られるため、広場は作られるものの、その北側隣に位置するサンシティ銀座イーストとの距離が近く、日当たりやこれまでの眺望がかなり悪くなることが予想される。再開発の建物より、サンシティ銀座イーストの南側、特に低層階への悪影響がかなりあるのではと考えられます。
4.月島駅周辺の価値は今後も上昇するのか?
今まで見てきたように、月島駅周辺は既に成熟した街づくりができているのに加え、再開発により更に洗練された街へと発展することが大いに期待できます。
しかし、不動産購入を見当するには、将来的な価値を見込めるのか見極める必要があります。そこで、それぞれのデータをもとに詳しく確認していきます。
4-1.月島駅周辺の世帯数の比較
上記のグラフは、月島駅、豊洲駅、勝どき駅の世帯数の比較です。月島駅は、単身者世帯がとても多く住んでいます。交通の利便性から、単身者が住みやすい街であることが言えます。単身者や2~3人の核家族世帯が多く住む月島は、新しい世代も多く住む街です。
4―2.月島駅周辺の人口予測
次に、各駅徒歩15分圏内の人口推計のデータを見てみます。2050年までの人口予想は、月島駅は21,973人増加する予想となっています。
その他近隣の駅も人口は増加傾向であることが予測されています。新しいタワーマンション建設がされて人口が増えると街の活性化にもつながり、ますます街が盛り上がることでしょう。
4-3.交通機関の乗車数から見る利便性
参照:「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」(国土交通省国土政策局・平成30年度)の数値を参考に作成
東京都交通局が発表している『各駅の乗車人員』のデータを基に、月島駅の乗降者数の推移を考察していくと、月島駅の乗降客数は増加傾向にあることがわかります。
とはいっても、月島駅は近隣の豊洲駅・勝どき駅と比べて乗車客数が少ないのが現状です。駅の混雑は比較の二駅と比べるとだいぶ緩やかであると言えます。
4-4.月島駅周辺の土地の価値の推移
ここまで色々と見てきましたが、最も大切な月島駅周辺の土地の価格を確認していきます。商業地域に区分されている『中央5-31(月島駅)』と、住宅地に区分されている『中央ー1(月島駅)』の地域と近隣の場所を含めた3地点のデータを基に、2012年から2021年までの価格をグラフにまとめたものです。
4-4-1.商業地に区分されている『中央5-31(東京都中央区月島3-9-10)』について
昔からの商店街だけでなく、再開発の進展と共に、2014年からは徐々に地価が上がり、2020年に地価が上昇しています。2021年と2014年では、48.8万円/㎡(約49%)増加しています。
4-4-2.住宅地に区分されている『中央ー1(東京都中央区月島2-16-9)』について
こちらも、都心回帰もあり、2014年以降に徐々に地価が上昇し増加しています。
2021年と2011年では、24.9万円/㎡(約34%)増加しています。月島エリアでは、2002年以降に高層マンションの「ムーンアイランドタワー」、「アイマークタワー」、「MID TOWER GRAND」が完成し、現在も高層マンションが続々と増えています。
また、2025年完成予定の月島三丁目北地区の高層マンション計画もあり、さらなる人口増加が予想されます。
4-5.月島の中古マンションの価格推移
最後に、ライフルホームズが発表している『住まいのインデックス』のデータを基に、実際の月島駅周辺の中古マンションの価格推移を確認します。
4-5-1.マンション等住宅価格の推移
まずは、下記のグラフをご覧ください。こちらは、2010年からの月島駅周辺の中古マンションの価格をまとめたものです。
引用:ライフルホームズ
上記のグラフによると、現在、月島市の標準的な中古マンションの価格は直近の3年間で7.19%程度上昇しています。同様に、都心三区以外ではなかなか見られない一戸建ての価格や土地価格もゆるやかに上昇しており、都心やマンション選好の影響から、将来的にも価格は安定傾向であるといえるのではないでしょうか?
4-5-2.ファミリー向けマンションの価格まとめ
このように堅調に推移している月島駅の住宅価格ですが、更にいくつかのマンションサイトを参考に、一般的なファミリー向けマンションの価格を調べてみました。一旦、ざっくり知るために築年数や最寄り駅までの距離は考慮外としています。
まず、大手仲介サイトであるホームズでは、直近3カ月間に募集を開始された物件を基に平均価格を出しており、70㎡前後の中古マンションの平均価格を8,272万円(391万円/坪)でした。次に、新築マンションの相場に強い、マンションエンジンでは、平均価格7,683万円(363万円/坪)でした。
他にも、国土交通省の売買データを基に価格や相場を教えてくれるウチノカチでは、平均価格8,119万円(383万円/坪)でした。最後に、AIを使った評価で業界を引っ張っているソニー不動産は平均価格7,194万円(340万円/坪)でした。ちなみに、どの相場も2021年11月時点の数字です。
上記を参考に、マンションエンジンの新築価格とその他3つのサイトの平均価格(7,862万円)を単純に比較すると、中古マンションと新築では、約-2%もの乖離がありました。
他の地域も同様ですが、将来の家族構成や職場の変化などマンションの再販を踏まえ、個人的にねらい目だと思う、築10年程度の中古マンションを賢く購入する方が万が一のことを考え、安心だと思います。
ちなみに、安心できる中古マンションの購入を検討している40代男性の方へ、
2015年からこれまでの50件を超える住宅ローンを中心に債務整理や失敗事例を踏まえ、今後も期待できる都心の再開発エリアなど、無料の安心できるマンション購入相談の受付を始めました。
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最後に、購入後に損をしないため、購入の際はキチンと中古マンションの価値を的確に評価でき、再開発エリアについての情報を豊富に持ち、信用できる仲介業者や担当を選ぶようにしてください。
5.月島の地盤や災害の影響は?
最後に、ここからは不動産を購入するうえで欠かせない、地盤や災害の影響について解説していきます。埋立地であったり、湾岸エリアにある月島駅周辺はどのエリアが影響を受けやすいのか、そもそも災害の危険度が高いエリアなのかを見ていきます。
5-1. 地震情報サイト『JIS』が発表した『東京都月島市・地域別危険度』
東京都月島【地域別危険度】| 地震情報サイトJIS
月島1丁目~4丁目までを見てみると、地盤の揺れに対し、3丁目が一番危険度が高いということがわかります。
一方で、月島4丁目の地盤が一番危険度が低いことがわかります。
古くから形成された固結した地盤のため、地震の揺れに対し、比較的危険度が低い地域です。建物倒壊危険度の順位は東京都の中で836位。1ヘクタール5.02棟と予測されています。
5-2.中央区作成の「水害ハザードマップ」や対策
中央区では、水防法に基づく洪水ハザードマップを作成しています。月島エリアは隅田川に面しており、過去に浸水被害があった場所があります。
最近のニュースとしては、2019年10月、台風19号の大雨で荒川、隅田川は氾濫の危機がありましたが、関東地方整備局荒川下流河川事務所が岩淵水門を閉めて対処しました。その結果、荒川から隅田川に水が流れなくなり、隅田川の氾濫が防がれました。
5-2-1.先ず、中央区洪水ハザードマップを見ると
月島エリアは豪雨の際に水深0.5m未満の浸水が起こる事が予想されています。黄色の色掛けのエリアは危険度が高いので、不動産購入の際はリスクも考慮した方が絶対に良いでしょう。
参照:中央区洪水ハザードマップ
5-2-2.次に、高潮浸水想定区域図を見ると
東京都は、1000年に一度程度の過去最大級の台風が東京に接近した際の浸水被害想定地図を作成しています。その際、月島エリアは1.0mから3.0m未満の高潮浸水が起こる事が予想されています。
参照:東京都高潮浸水想定区域図
荒川の堤防が幅約40メートルに対して、隅田川の堤防の幅はわずか70センチなので、数位が堤防の高さを超えると決壊の恐れがあります。
頑固な鉄筋コンクリートの建物3階以上なら水に流される危険はないと思いますが、日頃から水害が起きた場合に緊急避難できる場所の把握、備蓄を心がける必要があります。
中央区の過去の浸水実績図を見ると、月島エリアでも浸水が起こっています。浸水のリスクのある赤いエリアに関しては、よく考慮して検討した方が良いでしょう。
参照:中央区浸水実績図
6.月島の伝統ある暮らしと人気上昇中の高層マンションへの憧れ
今回は、予想に反して?盛り上がった今年のオリンピックやパラリンピックが終わり、ますます人気が高まりそうな月島エリアを見てきました。
隅田川の古き伝統を守る暮らしと、東京湾を一望できる未来型の高層マンションの生活が人気の月島エリア。今後行われる再開発で生活の利便性はこれからも充実していくことでしょう。
しかしながら、災害の面では湾岸エリアに不動産を購入するリスクも考慮した上で決断されることをおすすめします。
都心へのアクセスの利便性、快適なライフスタイルを実現する周辺環境の充実、単身者に人気のエリアであることからも、賃貸物件としても人気はあることでしょう。古くからの住宅やお店や人情を残しつつ今後のタワーマンション計画も含め新しい世代の集うエリアである月島は、これからも進化しつづける注目のエリアです。
私が現地に行き、内容をまとめました。
国立大学在学時、2000年に学生起業に憧れ事業をスタート。2003年に社会人になり、今まで8社の事業に関わるも失敗。2006年より、大手証券や総合不動産会社を経て、2012年に再開発と住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、(株)リビングインを設立し、賃貸・売買仲介や管理を行う。
プライベートでは、1997年以降8回の引っ越しと18回の自宅や投資用不動産の売買を経験。2020年までの8年間で300室以上のお引っ越しと180件を超す、住まいのトラブルに対応。
保有資格は不動産鑑定士補、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士他。1978年生まれ、趣味は読書と素潜り。
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