はじめに
単に安い住宅を追求し、探すのもいいですが、アベノミクスを踏まえ、都心の物件は高騰し、非常に購入するのが難しくなっています。
私たちは2012年の創業以降、契約条件の改定や再開発等のネタがある物件をお客様のラインプランに併せ、オーダーメイドで物件をご紹介し、購入して頂きました。ここでは、購入後もローン返済が比較的安心でき、万が一の場合も売却し、住宅ローンを完済できうる東京の再開発について、統計データを用い、実際に現地に行き、レポートにまとめています。
今回は、六本木ヒルズやミッドタウンに続き、再開発が動いている六本木駅について、その人口やマンション単価、犯罪発生件数等の定量的なデータを基に情報をまとめました。
港区の北部に位置し、東京ミッドタウンや六本木ヒルズなどの高級ブティックが立ち並ぶ六本木は大規模な再開発が落ち着いたかのように見えます。しかし、六本木の再開発はまさにこれからです。
来年、六本木ヒルズ至近の西麻布三丁目が野村不動産により「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」の着工を予定しており、高さ約200mの複合施設が2027年度竣工予定です。
*六本木ヒルズ
そして、更に注目なのは、森ビルが行っている2023年竣工予定の再開発事業「虎ノ門・麻布台プロジェクト」です。「国際都市の洗練さ」と「小さな村のような親密さ」を兼ね備えた、世界に類を見ない新しい街が完成予定です。「六本木ヒルズ」に匹敵するインパクトを世間に与えると予想されています。
さらに、不動産テック総合サービス「RENOSY(リノシー)」の2020年調査データによると、年収1,000万円超えプレイヤーが住みたい街第8位が六本木でした。ちなみに、1位は隣接する南麻布となっています。
また、2020年10月にフジテレビ「なりゆき街道旅」では「六本木」が特集され、この街ならではの最新スポットや、六本木ヒルズ最上階展望台からの絶景が紹介されました。
時代と共に、話題性には事欠かない「六本木」という大都市は、今後も人々から注目され続けることは間違いありません。
しかし、不動産購入を検討する上で、これだけの情報では購入を決意することは危険です。
そのため、この記事では不動産を購入する観点から、六本木駅周辺の特徴や将来性、利便性を極力定量的に分析・詳細に解説していきます。六本木駅周辺の不動産購入を検討している方は、最後まで読み参考にして下さい。
>>買って10年、再開発で有名な豊洲のマンションの売却事例を基に、「住宅ローンが残っていても自宅を売却できるのか?」についてまとめました。
1.東京、六本木はどのような都市なのか?
まず、六本木駅周辺と六本木三丁目、西麻布を年収別にその割合で比較してみました。
3地点それぞれ、年収1000万以上の割合が、年収200万以下の割合を上回っていることがわかりました。また、他のエリアと比べ年収1500万以上の割合が高いこともわかりました。
六本木三丁目に関しては年収400万~500万の割合も高く、比較的給料の高い企業の若い世代が好んで住んでいるのではないでしょうか?ただ、年収400万以下の層も比較的高く、年収の分布からも多様性を感じます。
1-1.江戸時代は金魚の養殖が盛んで戦後は軍の街!
*三井ガーデンホテル六本木プレミア
六本木は江戸時代、水が湧き出る土地を活かした金魚の養殖が盛んだったと言われています。2020年1月に開業した「三井ガーデンホテル六本木プレミア」の客室に飾られている「金魚のイラスト」が、当時の六本木を物語っています。
ちなみに、このホテルの最上階では開放的なテラス席からの夜景が楽しめるそうです。
*外国人ご用達のバーも数多く立ち並ぶ
東京ミッドタウンがある敷地は、戦後、駐留軍が使用したのち防衛庁となり、現在に至っています。
こうした流れから、軍人相手のお店としてバーやレストラン、西洋風の店舗が増えていきました。その歴史から、六本木は今でも外国人に人気があり、愛され続けています。
1-2.年収1000万以上ないと楽しく住めない街なのか?
実際住んでいる人たちの声をネットでリサーチしてみました。年収1000万以上の人が好む街のランキングで、10位以内に入った六本木ですが、高収入でないと住みにくい街なのでしょうか?
家賃100万以上といった高級物件のイメージが先行してしまいますが、そもそも10万以下の家賃で住める物件があるのか調べてみました。
*高級ブランドが立ち並ぶ六本木ヒルズ
賃貸情報サイトSUUMOで、東京メトロ日比谷線/六本木/10万円以下/10分以内を条件に検索をかけると800件近くヒットしました。家賃10万円もあればワンルームには住めそうです。家賃を20万円程度出すことができれば、立派なマンションにも住めそうです。
しかし・・・気になるのは日々の食費です。高級店しか見たことがなく、昔ながらの商店街もあるようには見えません・・・、そういった生活費の面はどうなのでしょうか?
実際に住んでいる人の声をネット調べてみると・・「賃料は払える範囲でも、近隣のスーパーがめちゃくちゃ高い。レモン1個で500円とかザラ」、「安いスーパーは近くにありません。
巷では六本木価格というのがあるらしく、飲食店でも比較的高いような気がします。」などという声も散見しました・・・。以上のことから、年収は高いに越したことはなさそうです。
1-3.八百屋や魚屋があるような、いわゆる昔ながらの商店街はあるの?
*芋洗坂
六本木通り、芋洗坂など、古き良き地名が交差する中に、老舗と最新の高層ビルが並んでいます。これが六本木における商店街の姿です。従来のイメージとはかなりかけ離れた、都会の商店街となっています。
いわゆる、八百屋、魚屋などは麻布エリアまで行かないと残念ながら見当たりません。基本的には、高級スーパーが多い六本木駅周辺です。気軽に移り住むと生活費の高さに驚かれるかもしれません。
*福島屋 六本木店
その中で人気なのは、2014年、アークヒルズサウスタワーに出店した、東京都羽村市に本店を構える地域密着型スーパー「福島屋」です。
ローカルスーパーながらこだわりの品揃えのため、やはり値段は高めですが、良質で美味しい食材などが手に入ります。
2.六本木の治安は悪いイメージがあるが実際は?
参考:麻布警察署
六本木は、外国人からも人気が高い日本屈指の繁華街であり、 バーやクラブも多く治安が悪いイメージもあります。実際はどうなのか、六本木を管轄している麻布警察署が発表した『過去5年間の刑法犯の推移』を確認します。
データによると、過去5年間で発生した犯罪件数は約半分に減少していました。以前から治安の良いイメージが無い六本木では「六本木安全安心プロジェクト」を進めています。犯罪を防ぐ為に、パトロールを強化しているようです。
しかし、2021年2月には、六本木にあるショークラブで高級シャンパン窃盗事件が起こりました。このように、高級店が多いエリアな為、今でも窃盗事件などには注意が必要です。
3.森ビルは複数のプロジェクトを推進中
3-1.虎ノ門・麻布台プロジェクト
*「虎ノ門・麻布台プロジェクト」工事現場の様子
一見、落ち着いたかのように見える六本木の再開発ですが、「アークヒルズエリア」、「六本木ヒルズエリア」、「虎ノ門ヒルズエリア」は森ビルの戦略エリアと位置づけられ、現在も複数のプロジェクトを推進しています。
一番の注目は、2023年に竣工を迎える「虎ノ門・麻布台プロジェクト」です。
森ビルが、これまでのヒルズで培ったすべてを注ぎ込んだ「ヒルズの未来形」と言われています。
30年の歳月をかけて取り組み、2023年3月に新たな街として誕生します。
3-2.六本木五丁目プロジェクト
*「六本木五丁目プロジェクト」解体予定のロアビル
更に注目なのが、「六本木五丁目プロジェクト」です。バブル期の有名ビル「ロアビル」の解体が終わると、いよいよ始動するのではないかと言われています。
六本木ヒルズのような大規模施設「第2の六本木ヒルズ」が建設予定です。まだ具体的な計画内容は不明ですが、実現すれば、六本木の価値はよりいっそう高まっていくことが予想されます。
3-3.西麻布三丁目北東築第一種市街地再開発事業
*「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」着工予定現場の様子
また、六本木ヒルズに隣接する約1.6haの区域も再開発が予定されており、野村不動産により来年着工予定です。
ここには住宅、事務所、商業、ホテル、子育て支援施設が入り、広場や歩行者デッキ等が整備されるようです。住宅の予定戸数は約500戸、ホテルは、外資系ラグジュアリーホテルブランドの誘致を目指しているようです。
4.六本木駅周辺の価値は今後も上昇するのか?
*駅周辺からは東京タワーも望める
このように、六本木駅周辺はまだまだ進化の止まらない魅力ある場所だと思います。しかし、不動産購入を見当するには、更に詳しく将来的な価値を見極める必要があります。そこで、それぞれのデータをもとに詳しく確認していきます。
4-1.六本木駅周辺の世帯数を比較
上記のグラフは「六本木駅」と「六本木三丁目」、「西麻布」の世帯数の比較です。「六本木駅」は他の地域と比べ、若干2人世帯が多い傾向にあります。
お金が自由に使え、職住接近を望む共稼ぎDINKS世帯が多いのかもしれません。子育て?となると、六本木ではないのかもしれません。
4―2.六本木駅周辺の人口予測
次に、各駅徒歩15分圏内の人口推計のデータを見てみます。上記のグラフは「国土数値情報(H30国政局推計)/国土交通省」のデータを国際航業㈱が編集・加工した情報を元にグラフにしたものです。
再開発が今後も続くことから、2050年までの人口増加数は、どの駅も増加傾向であることが予測されています。
参考:港区役所HPより
港区が発表した『各年1月1日現在の人口・世帯数』のデータを基に、港区の人口を考察していきます。
データによると2006年以降、人口は一度も減ることなく安定して増加し、2020年までに83,598人(47%)増加していることが分かります。
4-3.六本木駅周辺の地価を考察
*六本木通りの様子
六本木駅周辺の土地の価格を確認していきます。以下のグラフは、商業地域に区分されている『港5-2(六本木駅)』と、住宅地に区分されている『港-25(六本木3-5-16)』の地域、近隣の場所を含めた3地点のデータを基に、2012年から2021年までの価格をまとめたものです。
4-3-1.商業地に区分されている『(六本木駅)』について
六本木駅の公示価格は、2014年から徐々に上昇し、2012年から2021年にかけて351万円/㎡(約58%)増加しています。西麻布3丁目も緩やかではありますが上昇していました。
*商業地『港5-2(六本木駅)』の様子
4-3-2.住宅地に区分されている『港-25(六本木3-5-16)』について
住宅地も上昇傾向で、2012年から2021年にかけて42万円/㎡(約43%)増加していました。
*住宅地『港-25』の様子
4-4.六本木駅の中古マンションの価格推移
*六本木ヒルズレジデンス
4-4-1.マンション等住宅価格の推移
さらに、開発が進み、人口や地価が上昇している六本木駅周辺に建つ中古マンションの価格推移をライフルホームズが発表している『住まいのインデックス』のデータを基に確認します。
まずは、下記のグラフをご覧ください。こちらは、2010年からの六本木駅周辺の中古マンションの価格をまとめたものです。
引用:ライフルホームズ
上記のグラフによると、他の地域同様、駅周辺に建つ中古マンションの価格は上昇傾向です。直近の3年間を見ると10.39%程度上昇しています。
また、戸建ての価格も上昇傾向にあります。土地の価格は上下を繰り返していますが、下がっても高値で止まっていることがグラフから分かります。
4-4-2.ファミリー向けマンションの価格まとめ
このように堅調に推移している六本木駅の住宅価格ですが、更にいくつかのマンションサイトを参考に、一般的なファミリー向けマンションの価格を調べてみました。一旦、ざっくり知るために築年数や最寄り駅までの距離は考慮外としています。
まず、大手仲介サイトであるホームズでは、直近3カ月間に募集を開始された物件を基に平均価格を出しており、70㎡前後の中古マンションの平均価格を7,568万円(357万円/坪)でした。次に、新築マンションの相場に強い、マンションエンジンでは、平均価格15,247万円(720万円/坪)でした。
他にも、国土交通省の売買データを基に価格や相場を教えてくれるウチノカチでは、平均価格14,905万円(704万円/坪)でした。最後に、AIを使った評価で業界を引っ張っているソニー不動産は平均価格11,756万円(555万円/坪)でした。ちなみに、どの相場も2021年11月時点の数字です。
上記を参考に、マンションエンジンの新築価格とその他3つのサイトの平均価格(11,410万円)を単純に比較すると、中古マンションと新築では、約34%もの乖離がありました。
他の地域も同様ですが、将来の家族構成や職場の変化などマンションの再販を踏まえ、個人的にねらい目だと思う、築10年程度の中古マンションを賢く購入する方が万が一のことを考え、安心だと思います。
ちなみに、安心できる中古マンションの購入を検討している40代男性の方へ、
まず、マンションの購入を真剣に検討されている方には、「サラリーマンですら、いつ何があるか分からない世の中ですから、過大なローンは控えたほうが良いと思います」と正直に伝えています。
これまでの50件を超えるローン破綻や債務整理、失敗事例を踏まえ、今後も期待できる都心の再開発エリアなど、安心できるマンション購入の無料相談を始めました。
コンセプトは、「約20年後に来る65歳での定年時の残債や事前完済を理解し、無理のない住宅ローンの返済可能性や途中での売却でもローンが残りにくい安全なマンションの取得」です。
破綻者の割合が多く、自宅として危険だと思う、収入合算やペアローンを使い、無理やり、借入総額を増やした購入より、年収や年齢、家族構成から間取りや面積を決め、再開発エリアを中心に再販できる手堅いマンションをご紹介しています。
ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーに話を聞き、60代での賢いリタイアを目指し、ローン返済まで考えたマンションの購入を考えている方はこちらのページより、無料相談をご利用ください。
5.港区の地盤や災害の影響は?
ここからは不動産を購入するうえで欠かせない、地盤や災害の影響について解説していきます。六本木駅周辺はどのエリアが影響を受けやすいのか。そもそも災害の危険度が高いエリアなのかを確認していきます。
5-1. 地震情報サイト『JIS』が発表した『東京都港区・地域別危険度』
六本木1丁目~7丁目までを確認すると、一番危険度の低い地域は1丁目であることがわかります。
六本木周辺はローム台地と呼ばれ、液状化しにくい地質です。地盤の堅固さは高層建築に最適だったため、これだけの再開発も進められているのです。しかし、六本木2丁目は軟弱な地盤とされています。
以前に比べ、総合危険度は2,936位と上昇しています。地震の揺れに対しては注意が必要です。
5-2.港区の「水害ハザードマップ」や対策
参照:港区
港区は2021年3月に浸水ハザードマップを更新しました。六本木地区を確認すると、ほとんど浸水の危険性はありません。
ほんの一部0.5m~2.0m未満の浸水箇所がありますが、昔水が湧いた場所なのかもしれません。
6.2023年誕生「次世代のヒルズ」に、これから計画される「第2の六本木ヒルズ」
*東京ミッドタウン
ここまで見てきたように六本木は拡張を繰り返し、更なる次世代未来型都市を目指しています。そのため、「六本木ヒルズ」、「東京ミッドタウン」で開発が終わったわけではありません。
これまでよりも進化した再開発が複数遂行している、とんでもない街が六本木だと思いました。コロナ禍でもそのペースは衰えず、これからも街の価値は上昇を続けると予想されます。
また、コロナ禍でリモートを経験した若い世代は、職住接近を求めるというデータも出ています。こうしたことからも、六本木の人気はしばらく、衰えることはないと思います。
私が現地に行き、内容をまとめました。
国立大学在学時、2000年に学生起業に憧れ事業をスタート。2003年に社会人になり、今まで8社の事業に関わるも失敗。2006年より、大手証券や総合不動産会社を経て、2012年に再開発と住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、(株)リビングインを設立し、賃貸・売買仲介や管理を行う。
プライベートでは、1997年以降8回の引っ越しと18回の自宅や投資用不動産の売買を経験。2020年までの8年間で300室以上のお引っ越しと180件を超す、住まいのトラブルに対応。
保有資格は不動産鑑定士補、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士他。1978年生まれ、趣味は読書と素潜り。
*頂いたコメントを参考に、今後の活動を改善していきます。
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*2012年の創業以来、緊急時以外、不要な売り込み等で電話連絡する事はありません
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