はじめに
単に安い住宅を追求し、探すのもいいですが、アベノミクスを踏まえ、都心の物件は高騰し、非常に購入するのが難しくなっています。
私たちは2012年の創業以降、契約条件の改定や再開発等のネタがある物件をお客様のラインプランに併せ、オーダーメイドで物件をご紹介し、購入して頂きました。ここでは、購入後もローン返済が比較的安心でき、万が一の場合も売却し、住宅ローンを完済できうる東京の再開発について、統計データを用い、実際に現地に行き、レポートにまとめています。
今回は、駅のリニューアルが予定されており、道路整備に伴い沿道再開発による「街づくり」再開発が進む明大前駅について、その人口やマンション単価、犯罪発生件数等の定量的なデータを基に情報をまとめました。
世田谷区の北東部に位置し、甲州街道を境として杉並区に接する「明大前駅」は、現在、駅のリニューアルが予定されており、道路整備に伴い沿道再開発による「街づくり」も進められています。
名前の通り、明治大学のキャンパスがある駅のため、学生が住みやすい街といったイメージを持つ方もいると思いますが、実は芸能人も多く住む、治安の良い街と評判です。
*明大前駅
その要因としては、日本初の民間交番「明大前ピースメーカーズボックス」が開設されたことで、防犯パトロール活動が功を奏し、後述するように犯罪件数が減少している事が挙げられます。
また、ちょっと古いですが、2006年2月には、地域密着系都市型エンターテインメント番組『出没!アド街ック天国』(テレビ東京系)で「明大前」が特集されました。番組内では、学生街の側面も持つ街特有の文化、グルメなどが紹介されました。
そんな街であれば、SUUMOが発表した『関東住みたい街ランキング』にも登場することが想定されましたが、何年遡って確認してもランクインしていませんでした・・・。おそらく、いつまでも学生街というイメージが影響しているのかもしれません。
ただ、不動産購入を検討するうえで、住みやすいや住みたい街ランキングだけの情報では購入を決意することは難しいかと思います。
そのため、この記事では不動産を購入する観点から、明大前駅周辺の特徴や将来性、利便性を極力定量的に分析・詳細に解説していきます。明大前駅周辺の不動産購入を検討している方は、最後まで読み参考にして下さい。
1.東京、明大前はどのような都市でどんな人が住んでいるんか?
まず、明大前駅と池ノ上駅、東松原駅を年収別世帯数の割合で比較してみました。明大前駅は他の駅と同様に、年収200万~500万の割合が高く、全体の45%近くを占めています。また、年収1,000万円以上の割合も池ノ上や東松原駅よりも低くなっています。
このことから、一般的な家庭や学生や社会人の単身者に愛されるエリアだということがわかります。
>>買って10年、再開発で有名な豊洲のマンションの売却事例を基に、「住宅ローンが残っていても自宅を売却できるのか?」についてまとめました。
1-1.「明大前」駅の名前はかつて「火薬庫前」だった
*明治大学 和泉キャンパス
明大前の駅を出てすぐには甲州街道があります。甲州街道は江戸幕府によって整備された五街道の一つです。江戸の軍事道路として重要な役割を果たし、鉄砲弾薬の貯蔵庫が置かれていました。
現在の明治大学和泉キャンパスは、鉄砲弾薬の貯蔵庫の跡地に建っています。明治大学ができるまでは、駅の名前は「火薬庫前」でした。
1-2.子育て世帯に優しい環境!近隣には大きな公園が多く、「学生街」なので物価が安い
*羽根木公園
歩いて見るとすぐに分かりますが、明大前駅周辺には大きな公園がいくつかあり、とっても気持ちが良いです。
例えば、駅から徒歩8分のところには「玉川上水公園」があります。その他「赤松公園」や「羽根木公園」もあり、子育てするには良い環境と言えます。
*オオゼキ 松原店
明大前駅前に大型商業施設はありませんが、足を延ばせばスーパー「オオゼキ」もあり、普段の買い物には困りません。更に、「学生街」なので全体的に物価が安く、リーズナブルな飲食店が多いことは魅力の一つです。
明大前では有名な安くてボリュームたっぷりの定食屋、「相州屋」をはじめとした、学生に愛されるお店はもちろん、スターバックスやマクドナルド、串カツ田中などの有名チェーン店も揃っています。
また、ラーメン激戦区でもあったりと、豊富なラインナップ、程よい便利さで住みやすい環境です。
1-3.渋谷と新宿に乗り換えなく、10分以内でアクセスでき、下北も吉祥寺も近い、抜群の立地
*明大前商店街 すずらん通り
街並みに青春の懐かしさはあるものの、オシャレさには乏しく、商店街の規模も小さいですが、渋谷と新宿に数分でアクセスでき、隣駅の下高井戸や東松原にはしっかりした商店街もあります。
そして、再開発の進む、下北沢や吉祥寺にも近いこの立地は大きな魅力と言えます。遊びたい盛りの若者が一人暮らしをするにはピッタリの街ですが、子育て世代にも公園だ家でなく、利便性の高さや物価の安さ、家賃も抑えられるといった側面からも検討の価値はあると思います。
2.明大前の治安は良いイメージだが実際は?
参考:北沢警察署
明大前駅周辺を管轄している北沢警察署が発表した『過去5年間の刑法犯の推移』のデータを確認します。
データによると、過去5年間で発生した犯罪件数は減少傾向でした。毎年徐々に減少していることがグラフからわかります。先述した明大前ピースメーカーズの防犯パトロールによる効果も大きいと思います。
*明大前ピースメーカーズ
3.2022年度の事業完了を目指し、京王線は連続立体化(高架化)
明大前駅もデザインを刷新!周辺の良好な住環境に配慮した「街づくり」も進む
2022年度の事業完了を目指した立体化により、「明大前駅」も高架化されます。踏切が無くなるだけでなく、今までのイメージとは全く変わりそうです。
完成デザインも発表されました。透明感のある素材をリズミカルに組み合わせることで、街の賑やかさと移り変わりが間近に感じられるデザインにする予定です。
*現在の整備現場の様子
また、「都市計画道路の放射23号線の整備」による沿道の街づくりも検討されています。
周辺の良好な住環境に配慮した、生活利便施設を適切に配置した、緑豊かで潤いのある街づくりを進めます。
4.明大前駅周辺の価値は今後も上昇するのか?
*京王線改札の様子
このように、明大前駅周辺は穴場的な魅力ある場所です。しかし、不動産購入を見当するには、更に詳しく将来的な価値を見極める必要があります。そこで、それぞれのデータをもとに詳しく確認していきます。
4-1.明大前駅周辺の世帯数を比較
上記のグラフは「明大前駅」と「池ノ上駅」、「東松原駅」の世帯数比較です。「明大前駅」は他の駅同様に単身者が60%と多いことがわかります。
「学生街」として有名な為、単身世帯が多くなっていますが、渋谷や新宿へのアクセスを考えると通勤・通学にも便利で穴場の駅と言えます。
4―2.明大前駅周辺の人口予測
次に、各駅徒歩15分圏内の人口推計のデータを見てみます。上記のグラフは「国土数値情報(H30国政局推計)/国土交通省」のデータを国際航業㈱が編集・加工した情報を元にグラフにしたものです。
2050年までの人口の増加数は、明大前駅は2,674人減少の予想となっています。
しかし、減少率は他の2駅より少ないことがグラフからわかります。今後は、駅個別で不動産の選別を行っていく必要がありそうです。
上記は、世田谷区「町丁別世帯数および人口表」を基に過去10年間の世田谷区全体の人口推移をグラフにしたものです。
データによると、2020年までは順調に上昇していました。しかし、2021年に減少しています。しかし、2019年に比べると総人口数は多く、今後大きく減少するといった心配はないように思います。
4-3.交通機関の乗車数から見る利便性
参考:「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」(国土交通省国土政策局・平成30年度)の数値を参考に作成
東京都交通局が発表している『各駅の乗車人員』のデータを基に、「明大前駅」の乗降者数の推移を考察していきます。
明大前駅は、他の2つの駅に比べ圧倒的に乗降者数が多く、上昇を続けていることがわかります。明治大学の人気も影響しているかもしれません。実は、志願者数は明治大学が早稲田を上回るなど、ここ10年以上明治大学の人気が高まり、女子学生からの人気も飛躍的に上がっているといいます。
また、明大前駅には明治大学だけでなく、他にも学校がいくつかあり、活気ある街は続いていくと予想されます。
4-4.明大前駅周辺の地価を考察
*駅前の商業施設「フレンテ明大前」
明大前駅周辺の地価を確認していきます。以下のグラフは、商業地域に区分されている『世田谷5-14(明大前駅)』と、住宅地に区分されている『世田谷-80(世田谷区松原1-29-16)』の地域と近隣の場所を含めた3地点のデータを基に、2012年から2021年までの価格をまとめたものです。
4-4-1.商業地に区分されている『世田谷5-14(明大前駅)』について
商業地は、2014年からは徐々に地価が上がり、2012年から2021年にかけて21万円/㎡(約30%)増加しています。東松原駅に比べても増加率は高くなっています。
*商業地『世田谷5-14』の様子
4-4-2.住宅地に区分されている『世田谷-80(東京都世田谷区松原1-29-16)』について
住宅地の地価は、ゆるやかですが上昇傾向で、2018年から2021年にかけて4万円/㎡(約7%)増加していました。
商業地と異なり、こちらは駅周辺の住宅街と同じレベルで上昇しています。学生街であり、一般的な家族世帯が多い分、比較的穏やかな上昇に思えます。
*住宅地『世田谷-80』の様子
4-5.明大前駅の中古マンションの価格推移
*駅前のマンション群
4-5-1.マンション等住宅価格の推移
ライフルホームズが発表している『住まいのインデックス』のデータを基に、実際の明大前駅周辺の中古マンションの価格推移を確認します。
まずは、下記のグラフをご覧ください。こちらは、2010年からの明大前駅周辺の中古マンションの価格をまとめたものです。
引用:ライフルホームズ
上記のグラフによると、他の地域同様、現在駅周辺の中古マンションの価格は上昇傾向です。直近の3年間を見ると5.46%程度上昇しています。
戸建ての価格も上がる一方です。ただ、コロナウイルスの影響を受け、2021年の土地価格は下落していました。
4-5-2.ファミリー向けマンションの価格まとめ
このように堅調に推移している明大前駅の住宅価格ですが、更にいくつかのマンションサイトを参考に、一般的なファミリー向けマンションの価格を調べてみました。一旦、ざっくり知るために築年数や最寄り駅までの距離は考慮外としています。
まず、大手仲介サイトであるホームズでは、直近3カ月間に募集を開始された物件を基に平均価格を出しており、70㎡前後の中古マンションの平均価格を5,311万円(251万円/坪)でした。次に、新築マンションの相場に強い、マンションエンジンでは、平均価格9,517万円(449万円/坪)でした。
他にも、国土交通省の売買データを基に価格や相場を教えてくれるウチノカチでは、平均価格5,082万円(240万円/坪)でした。最後に、AIを使った評価で業界を引っ張っているソニー不動産は平均価格4,677万円(221万円/坪)でした。ちなみに、どの相場も2021年11月時点の数字です。
上記を参考に、マンションエンジンの新築価格とその他3つのサイトの平均価格(5,023万円)を単純に比較すると、中古マンションと新築では、約89%もの乖離がありました。
他の地域も同様ですが、将来の家族構成や職場の変化などマンションの再販を踏まえ、個人的にねらい目だと思う、築10年程度の中古マンションを賢く購入する方が万が一のことを考え、安心だと思います。
ちなみに、安心できる中古マンションの購入を検討している40代男性の方へ、
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5.世田谷区の地盤や災害の影響は?
ここからは不動産を購入するうえで欠かせない、地盤や災害の影響について解説していきます。明大前駅周辺はどのエリアが影響を受けやすいのか?
そもそも災害の危険度が高いエリアなのかを確認していきます。
5-1. 地震情報サイト『JIS』が発表した『東京都世田谷区・地域別危険度』
松原1丁目~6丁目までを確認すると、地盤の揺れに対して最も危険度が低い地域は6丁目ということがわかります。
また、6丁目は火災危険度も低いため、個人的には6丁目をおすすめします。松原6丁目は、羽根木公園に近く、豪徳寺や梅が丘の駅に近いエリアとなります。
5-2.世田谷区作成の「水害ハザードマップ」や対策
参照:世田谷区
世田谷区は「区水害ハザードマップ」を作成し、想定し得る最大規模の水害が起こった際の影響を見える化しています。
洪水ハザードマップを確認すると、松原5丁目、6丁目の一部に水深1~2mになるエリアがあります。しかし、大雨ハザードマップ.infoというサイトを確認したところ、大雨や豪雨での浸水、冠水のリスクは少ないようです。
しかし、年々その雨量は増加傾向にあり、物件を購入する際は注意が必要です。
6.2022年完成に向けて駅舎がリニューアル!更に道路整備による沿道の街づくりにも期待!
*「京王線連続立体交差事業」の着工予定現場
明大前駅は学生街として有名なため、あまりファミリー層に注目されていないイメージでした。しかし、実際に現地を歩いて見ると、青春の甘酸っぱさが残るディープな雰囲気、そして、リーズナブルなお店が充実し、魅力的な街だと思いました。
これから更に駅が刷新され、道路の整備による周辺の街づくりによって、利便性やデザイン性が増すと、住む街として、更に魅力が出てきそうです。
直近の駅の乗降者数は増加傾向にあり、何よりも渋谷や新宿、吉祥寺へのアクセスが抜群の駅であることからも、まだ価格が他のエリアより抑えられている今、物件を購入するのは悪くないかもしれません。
ちなみに、以前まとめた同じ京王井の頭線の下北沢駅も再開発が進んでおり、渋谷から下北沢、明大前駅と連係し、今後も繁華性や利便性の向上が見込めると思います。
私が現地に行き、内容をまとめました。
国立大学在学時、2000年に学生起業に憧れ事業をスタート。2003年に社会人になり、今まで8社の事業に関わるも失敗。2006年より、大手証券や総合不動産会社を経て、2012年に再開発と住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、(株)リビングインを設立し、賃貸・売買仲介や管理を行う。
プライベートでは、1997年以降8回の引っ越しと18回の自宅や投資用不動産の売買を経験。2020年までの8年間で300室以上のお引っ越しと180件を超す、住まいのトラブルに対応。
保有資格は不動産鑑定士補、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士他。1978年生まれ、趣味は読書と素潜り。
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*2012年の創業以来、緊急時以外、不要な売り込み等で電話連絡する事はありません
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