0.はじめに
2012年の創業以降、私たちはお客様に東京都心の再開発地域のマンションを紹介して来ました。と言うのも、日本の将来を踏まえ、もしもの時に損せず売れ、開発による利便性や繁華性の向上を踏まえ、将来相場を考慮し、安く買える可能性が高いと考えているからです。
買うにも・売るにも時間の掛かる不動産において、貴方が将来苦しまないために資産性と流動性は本当に大切だと信じています。
建物の企画も大切ですが、個人が自宅を購入する場合、購入後どうする事も出来ない立地を一番に考えてほしいです。中でも、再開発地域は大規模であり、中長期の街のあり方をプロが考え、実行しています。これまでの売買経験から失敗が少ない買い物だと言えます。
再開発によって、資産価値の維持向上が見込め、実際に東京都心の再開発エリア内外のマンションなどは過去10年で130〜150%値上がりした例もあるなどし、注目を浴びています。
例えば、マンションデータで有名な東京カンテイが発表したデータによると、東京23区の2018年から2021年までの4年間で14%も値上がりしています。このデータには再開発地域外のマンションも入っているので、実際はもっと値上がりしていると思われます。
参考:東京カンテイ
一方で、資産価値の向上という良い面だけがクローズアップされすぎて、住む上での困った事や街としての成熟度についてしっかりと考える機会が奪われているようにも思います。
確かに、資産価値を落とさない、できれば資産価値が上がるマンションを購入するということは、将来の住宅ローン破綻リスク、果ては老後破産リスクを避けるという意味では非常に重要です。
例えば、下のグラフで分かる通り、2020年から始まったコロナウイルスの影響で住宅確保給付金の申請は一気に増えています。
参考:厚生労働省HP
しかし、お金のことばかりを考えすぎて、住まいとしての本質的な価値を見極めることを忘れると後で大変なことになります。いくら将来的にマンションの資産価値が上がっても、それまで何十年もストレスの溜まる生活は精神衛生上、健全ではありません。
そこで、この記事では再開発エリアの住宅地としての成熟度、特に安心して生活する上で重要な病院、子どもの将来を考えての学校について詳しく解説しました。
>>買って10年、再開発で有名な豊洲のマンションの売却事例を基に、「住宅ローンが残っていても自宅を売却できるのか?」についてまとめました。
1.再開発エリアの住宅地としての成熟度、メリット&デメリットは?
まず、再開発エリアの住宅地としての成熟度やそこに住む際のメリットやデメリットについて解説します。
1-1.再開発エリアの住宅地としての成熟度
再開発完了後については、住宅地として住む分には問題ないと言って良いと思います。むしろ、駅から近く、周辺も整備されて綺麗かつ治安も良い、商業施設も揃い非常に利便性が高いです。
近年の再開発では、役所をはじめとした公共機関、医療機関、教育機関等も同じエリアに一緒に計画されることが多いので、徒歩や自転車圏内で生活に必要なモノ・コトの全てが揃うことも少なくありません。
ただし、成熟度という面では、単純に新しくできた住宅地なのでこれから、という点はあると思います。特に再開発前の地権者らは昔の人間関係や街の雰囲気を大切にすることが強いケースもあります。再開発後に引っ越してきた人たちとは、ちょっと意識が違うかもしれません。
とはいえ、古くからの人も、新しく引っ越してきた人たちも仲良くして、街を発展させていく方が得策と言えます。エリアの価値、自分たちが持っている土地や物件の価値も上がるからです。だから、基本的には協力して、必要な場合はしっかりと話し合おうとすると思います。
再開発エリアに引っ越す場合はこういった背景も考えて、従来からの地権者らで作る組合の雰囲気を確認したり、自分たちも協力的な姿勢でいることが重要と考えます。
1-2.再開発エリアの住宅地としてのメリット
再開発エリアの住宅地としてのメリットは、前項で触れたように街自体が美しく、治安も良く、利便性の高いことです。そのような街に住みたいと思う人は多いので、人気となり、結果的にマンションの資産価値が上がる、ステータスが上がるといったことがあります。
1-3.再開発エリアの住宅地としてのデメリット
再開発エリアの住宅地としてのデメリットは、先にも述べたようにソフト面での「街づくり」はこれからである、ということです。住む人の考え、働き、ステータスによって形成される、エリアとしての価値は変わっていくとも言い換えられます。
住人同士が協力できないような雰囲気のエリアはいずれ廃れていき、資産価値も減少します。そうならないように慎重に進められることが基本ではありますが、ゼロではないことも考えておく必要があると思います。
一方で、これから街を作るので、再開発前よりも一層住みやすく、価値ある街になるという可能性もあります。
再開発エリアのマンションを購入する、将来にかけてのメリットやデメリットについては下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
>>再開発エリアのマンションを購入する将来のメリット・デメリット?
2.再開発エリアの住宅地としての成熟度「病院」や「医療機関」は大丈夫?
住む際には住宅周辺だけでなく、いざという時の病院や医療機関へのアクセスの良さ、選択肢の多さが重要です。その点について、ここから解説します。
2-1.近年の再開発は病院、医療機関も含めたマンションを計画されることが多い
近年の再開発では、病院や医療機関も再開発エリア内に計画されることが多いです。それは再開発が行政も主体となって街をあげて行なっていること、医療体制も敷地内に集約化することで住人の利便性向上とコスト面でのメリットがあるからです。
また、医療機関側としても、アクセスの良い再開発エリアで医療を行うことにメリットを感じているからだと思います。以前は広大な敷地が取れる郊外に病院を建設することが多かったのですが、今後の人口減少や超高齢社会を見据えて、ある程度人口が密集しており、アクセスが良いところにある方が良いからです。
長年、不足が叫ばれている医療従事者の確保という点でも、やはり便利な場所に立地する方がメリットがあります。そのため、新規開業や老朽化など建て替えのタイミングで再開発エリアを選ぶケースが増えています。
とはいえ、北海道「富良野駅前地区再開発」など、地域の中核病院が郊外へ移転した例もあります。東京都心では少ないとは思いますが、再開発エリア内に医療機関が絶対にあるとは限らないので、事前に調べておいてほしいと思います。
2-2.再開発エリア内に医療機関ができた例
実際に再開発エリア内に医療機関ができた例としては、東京都墨田区の曳舟駅エリアがあります。駅前の東武鉄道のビルに「伯鳳会 白鬚橋病院」が移転されています。
このほか、千葉駅、姫路駅、和歌山駅などの再開発でも駅前にビルに病院が移転するケースが相次いでいます。
2-3.医療機関の再開発を担うデベロッパー
再開発エリア内への医療機関移転、開業は当然簡単な話ではありません。
ですので、大手デベロッパーが斡旋しています。例えば、三菱地所グループは医療機関を中心とした土地の開発や街づくりを含めた開発、再開発を行う「ウェルネスタウン」という構想を元にサービスを提供しています。
再開発エリアでどのように医療機関や医療サービスが展開されるかが気になる場合、こうしたサービスについて調べてみるのも良いと思います。
3.再開発エリアの住宅地としての成熟度「学校」「教育機関」は大丈夫?
再開発後にしばしば問題となるのが、学校・教室不足問題です。事前にどのような点に気をつければ良いか、まとめました。
3-1.「受入困難地区」「要注意地区」の情報を事前にチェック
繰り返し述べてきたように、近年の再開発では学校や教育機関を含め、生活に必要な施設などを一体的に計画することがほとんどです。だからこそ、再開発エリアへの引っ越しは子育て世帯でのニーズが高いとも言えます。
しかし、急激な人口増加、特にタワマンの建設で学童期の子どもを持つ世帯が一度に数百世帯以上増えた場合、整備が追いつかず、弊害が起こっているのも事実です。
例えば、神戸市のように再開発により短期間で児童が急増し、学校施設が不足する可能性があると、市が対策に乗り出した例もあります。再開発やタワマン建設による学校施設不足は、案外地方でも起こっているので、学童期のお子さんがいる家庭は注意してほしいと思います。
実際のところは、再開発がある程度済んで再開発エリアへの転入が落ち着いてからでないと結果がわからないところはあります。
しかし、事前に調べておけることもあります。再開発エリアを管轄する行政のホームページや問い合わせで、「受入困難地区」「要注意地区」について調べてみることです。
3-1-1.「受入困難地区」とは?
仮設校舎の建設や校区調整などの対策を行なっても学校施設や教室が不足する可能性のある地区を言います。
3-1-2.「要注意地区」とは?
今は問題はないものの、今後タワマン等の完成で「受入困難地区」になってしまう恐れがある地区のことです。
学童期の子どもがいるご家庭は、子どもに安定した教育環境を与えるためにも、このような行政が出す情報を随時チェックしておいた方がいいと思います。
3-2.東京都心の再開発エリアでは、教育施設が充実するケースが多い
公立の学校では、上記のような施設不足の懸念があります。しかし、東京都心の再開発エリアでは教育環境の選択肢はむしろ増えるケースが多いと思います。
例えば、月島の再開発エリアの近くには、「東京インターナショナルプリスクール月島キャンパス」や「ブロッサムズインターナショナルスクール」といったインターナショナルスクールがいくつもあり、そうした教育に力を入れたい家庭にとっては魅力的なエリアです。
また、再開発はアクセスの良い場所で行われることがほとんどなので、都心の私立への通学もしやすいと思います。
3-3.再開発エリアの公立学校で見られる工夫
再開発エリアの公立学校では人口の急増に対応するため、駅前の再開発ビル内に学校施設を開設・移転するケースも出てきています。
東京都中央区立城東小学校がその一つで、東京駅八重洲南口前の複合ビル内1〜4階に小学校が設置される予定です。中央区立城東小学校はもともと、東京駅周辺のオフィス街で住んでいる子どもが少ないエリアにあるということで、「特認校制度」という学区外からの通学が認められていました。しかし、この再開発ビルへの移転が決まり、定員の13.7倍も入学希望者がいたそうです。
また、城東小学校は早稲田大学理工系学部との協力や重点的な科学学習時間の確保、課題研究、プレゼン発表を行うなど「理数教育パイロット校」として、特色ある教育を行なっています。
このように、特に東京都心の家庭に多い、教育に高い関心を示す家庭のニーズに応える学校も見られるようになっています。
例えば、大阪府「寝屋川公園駅周辺地区」で郊外の小学校や中学校等教育機関と医療機関とを再開発エリア内に移転したケースなど、行政が主導して教育環境を整備することもありました。
4.再開発エリアに住む快適性という面でのデメリットや弊害は?
再開発エリア内でのタワマンにより人口が急増することで、住まいとしてのデメリットや弊害はないか?以前、質問を受けた、購入前に知っておきたいことをピックアップします。
4-1.開発計画の変更によるマンション購入や資産価値の変動リスクがある
再開発は10年、長い時には30年くらいかかることも珍しくありません。ですので、再開発期間には必ず計画変更があると思っていください。
数十年も経てば法律や経済状況、その時の人々の価値観などが変わるので、計画変更がある方が自然というくらいの考え方の方が良いと思います。
では、この計画変更で何が問題かというと、マンション購入や資産価値のプランに変動が起こす可能性があります。例えば、将来の資産価値上昇を見越して、再開発エリアのマンションを価格が高騰する前の早い時期に購入したら、再開発エリアが変わってちょっと不便な立地になってしまったといったことです。
この様な開発リスクがあるから、将来の資産価値上昇が見込めると理解した方が賢いと思います。
逆に、再開発エリア内近くの価格的に手を出しやすい立地のマンションを狙っていたら、計画変更で人気エリアとなって急騰した、ということもあり得ます。
そのほか、下記のように「防火地域」「準防火地域」エリアになった、基準が変わったといった変更で、建物の建設条件が変わることがあります。
参照:品川区都市計画審議会「東五反田二丁目第3地区における都市計画の決定ならびに変更 」
また、JR小岩駅周辺の再開発計画変更のように、「駐輪場を追加する」といった軽微なものから、将来のマンションの支払い計画、資産価値に大きく影響を与えるようなものもあるので、どうしても気になる方は購入前に、将来的に変更があっても仕方ないと思える地域や価格帯で購入するのが良いと思います。
一個人が計画変更を阻止するのは不可能ですが、再開発事業組合や行政が公表する情報を随時確認する、再開発エリアに詳しい地元の不動産会社を見つけておいて、逐次情報交換するなど、防衛策をとってほしいと思います。
4-2.再開発エリアでは水害、液状化リスクがある
東京都心のように、もともと標高が低くて海に近く、手狭なエリアを開拓したような場所では、水害や液状化リスクが絶対にないとは言えません。
もちろん、再開発ではしっかりとした地盤調査や工事、厳しい基準に則った建設が行われますが、近年の甚大化する自然災害では100%安全と言い切れるものはないと思います。
武蔵小杉の再開発エリアのマンションで起こった台風による洪水、それによる停電、汚水漏れの災害は記憶に新しいのではないでしょうか?
他にも、豊洲再開発エリアを持つ江東区では、災害のリスクは極めて低いとしつつも、地盤に関する調査や分析などを行っている地盤ネットホールディングス株式会社が「地盤の軟弱さを考慮すると、一概に軽視できる問題ではない」という見解を示すなど、危機感を持っている例があります。
日本全国完璧に安全な場所はないと心得つつ、ハザードマップや防災情報を確認し、日々備えるという基本的なことをするしかないと思っています。
4-3.急激な人口増加で交通やエレベーターの混雑、保活問題が発生する
再開発による人口急増でもっとも身近に感じる不便が、交通機関やタワマンのエレベーターの混雑、希望する保育園に入れないいわゆる「保活」問題だと思います。
先にも挙げた武蔵小杉駅では、毎朝通勤時間に駅舎からはみ出した長蛇の列がテレビで放映されるなど、再開発エリアの交通混雑は何度も話題にのぼっています。
他にも、2010年に「シティタワーズ豊洲」というタワマンが建設されたケースでは、10年間で最寄りの東京メトロ有楽町線の乗降客数が約9万人、ゆりかもめ線が1万3,000人増加しています。
参考:7.再開発エリアの最前線!「豊洲」は住みやすさの全てを兼ね備えた魅力な街に?
また、タワマン内でのエレベーター待ち問題など、社会人から保育園に通う子どもまでの行動が重なってしまう朝の混雑は住人の大きなストレスになっています。
さらに、希望する保育園に入れない、入るために多くの苦労を要するなど、穏やかな日々の生活とは言えないケースも発生しているのです。
5.東京都心・首都圏で完了直後&完了間近で注目の7つの再開発エリア
最後東京都心・首都圏で完了直後&完了間近で注目の7つの再開発エリアを紹介します。
5-1.東京都北区「十条駅西口地区市街地再開発事業」
東京都北区「十条駅西口地区市街地再開発事業」は、上十条一丁目と上十条二丁目で再開発が行われています。目的は市街地の防災機能の向上と、土地の高度利用、都市機能の更新です。
2004(平成16)年に再開発に関する勉強会が開催されてから足掛け20年、2024(令和6)年度の工事完了に向けて再開発が進められています。すでに再開発ビルも着工しており、完成まで3年を切っていることから大きな計画変更はほぼないとみて良いと思います。
5-2.東京都品川区「東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業」
東京都品川区「東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業」は、JR大崎駅と五反田駅を中心に行われている再開発です。東急不動産、竹中工務店、アール・アイ・エーなど大手が関係している再開発案件になります。
再開発ビルでは、地上20階で事務所や店舗が入居するオフィスビルと、地上39階で約390戸の住宅ほか保育園併設のタワマンの2棟が建設される予定です。
2023年11月に着工を予定するこれからの再開発ですが、2027年5月に竣工予定と比較的出口が近くて見えやすい案件なので、これからマンションを購入する人は検討の一つにしても良いと思います。
5-3.東京都中央区「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」
東京都中央区では「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」と「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」の2つの大きな再開発が予定されています。北地区の再開発では地上58階・地下2階の約1,380戸、南地区では地上50階の約720戸の超大型タワマン建設が予定されるなど、かなり大規模な再開発です。
このほか商業施設や子育て支援施設等も建設予定されています。タワマンの完成予定がそれぞれ2025年と2026年などので、そろそろ動きが出てくるかと思います。
5-4.東京都足立区「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」
東京都足立区「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」は、防災機能の向上と土地の高度利用を目的とした再開発です。近年、注目を浴びている北千住駅から徒歩3分ほどのところに「千住ザ・タワー」というタワマンが建設され、早期完売したことでも話題となりました。
再開発自体は2021(令和3)年に終わっているので、街の発展を確認してからじっくりとマンションや引っ越しを決めたい人には良いエリアと言えると思います。
5-5.東京都千代田区「飯田橋駅東地区第一種市街地再開発事業」
東京都千代田区「飯田橋駅東地区第一種市街地再開発事業」は、地下鉄駅側エリア「津久戸町」、「下宮比町」、「揚場町」で行われる再開発です。東京メトロ東西線へのアクセスが良くなる見込みで、清水建設が協力事業者として参画する計画となっています。
地上24階・地下2階の高さ138mの複合ビルができる予定です。完成は2026年秋頃と少し期間はありますが、着工が2023年と目前に迫っているので、大幅な計画変更はなく進められると考えています。
また、飯田橋エリア南側のすぐ隣では「九段南一丁目プロジェクト(仮称、「旧九段会館」建て替え事業)も進行中です。
「九段南一丁目プロジェクト」では、地上17階・地下3階の高さ約75mの複合ビルが建設予定となっており、東急不動産、鹿島建設が参画する見込みです。2022年7月に竣工予定と完成目前なので、情報収集はすぐに進めた方が良いと思います。
5-6.千葉県千葉市「千葉駅西口地区第二種市街地再開発事業」
千葉市の都心、千葉駅西口地区の再開発事業で、駅前と臨海地区の発展や相互のアクセスを目指して事業が進められました。2020年4月に再開発が完了し、周辺エリアも含めて30年にも及ぶ大規模再開発が終了しました。
5-7.埼玉さいたま市大宮区「大宮駅西口第3-B地区第一種市街地再開発事業」
さいたま市の都心でもある大宮駅西口に立地する桜木町2丁目で行われている再開発事業で、防災機能の向上、土地の有効活用、交通環境の改善などを目的に進められています。注目は、2017年に閉店したデパート跡地に建設される地上18階建の高層ビルです。
商業施設やオフィスビルとしての機能を備えた複合ビルになる他、住宅部は高断熱機能を持つ環境に配慮した設計がなされています。さらに、災害時には帰宅困難者の滞在施設としての役割を持つなど、現代的な取り組みを行なっています。再開発後、一帯の愛称を「大宮サクラスクエア」に決定するなど、再開発事業はゴールが見えてきています。
また、大宮駅東口でもエリア初の再開発事業が行われており、商業施設、オフィス、公共施設などが一体となった複合施設の開業は2022年4月と間近に迫っています。施設の名称は「大宮門街(オオミヤカドマチ)」で、西口と合わせて大宮駅周辺が賑わいそうです。
6.東京の再開発エリア、住宅地としての成熟度、病院や学校まとめ
6-1.再開発エリアの住宅地としての成熟度について
再開発エリアの住宅地としての成熟度についてまとめると以下の通りです。
・利便性が高い。ただし、再開発前の地権者らと新しく引っ越してきた人たちが仲良くし、街を発展させていこうという意識が必要。
・メリットは、街自体が美しく、治安も良く、利便性の高いこと。結果的にマンションの資産価値やステータスが上がる。
・デメリットは、ソフト面での「街づくり」はこれからであること。そして、計画が変更されることがある事。
6-2.再開発エリアの病院、医療機関について
・近年の再開発では、病院や医療機関も再開発エリア内に計画されることが多い。
・東京都心では少ないものの、地方では地域の中核病院が郊外へ移転した例もあるので、購入を決める前に調べておく。
6-3.再開発エリアの学校、教育機関について
・「受入困難地区」「要注意地区」の情報を事前にチェックする。
・東京都心の再開発エリアでは教育施設が充実するケースが多い。
・再開発エリアの公立学校では独自の工夫を行なっている教育機関もあるので、確認する。
6-4.再開発エリアに住むデメリットや弊害について
・再開発計画の変更によるマンション購入や資産価値の変動リスクがある。
・再開発エリアでは水害、液状化リスクがある。
・急激な人口増加で交通やエレベーターの混雑、保活問題が発生する。
6-5.東京都心・首都圏で完了直後&完了間近で注目の7つの再開発エリア
・東京都北区「十条駅西口地区市街地再開発事業」
・東京都品川区「東五反田二丁目第3地区第一種市街地再開発事業」
・東京都中央区「月島三丁目北地区第一種市街地再開発事業」「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」
・東京都足立区「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」
・東京都千代田区「飯田橋駅東地区第一種市街地再開発事業」
・千葉県千葉市「千葉駅西口地区第二種市街地再開発事業」
・埼玉さいたま市大宮区「大宮駅西口第3-B地区第一種市街地再開発事業」
再開発エリアについて、メディアに出てくる目立つ情報は良い面ばかりがクローズアップされがちです。ただ、自分が住む、購入する際は現実的な日々の生活を考え、お金の面だけでなく、シビアに判断してほしいと思います。
私が現地に行き、内容をまとめました。
国立大学在学時、2000年に学生起業に憧れ事業をスタート。2003年に社会人になり、今まで8社の事業に関わるも失敗。2006年より、大手証券や総合不動産会社を経て、2012年に再開発と住まい問題の解決をテーマとした不動産会社、(株)リビングインを設立し、賃貸・売買仲介や管理を行う。
プライベートでは、1997年以降8回の引っ越しと18回の自宅や投資用不動産の売買を経験。2020年までの8年間で300室以上のお引っ越しと180件を超す、住まいのトラブルに対応。
保有資格は不動産鑑定士補、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、2級ファイナンシャルプランニング技能士、住宅ローンアドバイザー、防犯設備士他。1978年生まれ、趣味は読書と素潜り。
*頂いたコメントを参考に、今後の活動を改善していきます。
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*2012年の創業以来、緊急時以外、不要な売り込み等で電話連絡する事はありません
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