不動産市況ウォッチ

2021/01/14

住みたい街ランキング1位の北千住、不動産購入の穴場スポット?

足立区南部に位置する北千住駅は、現在、東京都内各地で進められている再開発の中心といえる場所です。それを裏付けるように、リクルート住まいカンパニーが発表している、「穴場だと思う街ランキング」で2015年から4年連続1位を獲得しています。さらに、2018年に同社から発表された「住みたい街ランキング」では、横浜や吉祥寺など全国的に知名度と人気が高い地域がある中、23位と上位にランクインしているのです。

このことから、北千住が現在も継続して注目されていることは疑いようがありません。しかし、私たち的には、本当に穴場と呼べるエリアなのか少し疑問があります。その理由は、昔から足立区は「治安が悪い」や「犯罪が多発している」など悪いイメージが根強く、私たちもお客様からよく聞かれるなど、現在もまだまだ払拭出来ていない印象があるからです。

そこで、この記事では「現在の北千住がどのような都市なのか」、「不動産購入を検討するうえで、本当に穴場と呼べる地域なのか」不動産購入の観点から現地取材を踏まえ、詳しく調べましたのでご紹介していきます。景気減速の中、何かあった時にも売りやすい再開発エリアの穴場スポット、北千住のマンションを購入検討しているなら、最後まで読んで参考にしてみてください。

1.北千住はどのような都市?

北千住は、横浜や吉祥寺などの人気エリアのようなブランド力はまだまだ低いです。しかし、交通の利便性や西口にあるマルイやルミネの大型商業施設をはじめ、都心でも需要が高い店舗が数多くあります。また、江戸時代から宿場町として栄えた名残を残すために、独特の人情溢れる商店街や下町の外観を維持しながら新しい都市へと日々進化しているのです。

さらに、街の利便性に限らず、経済面でも住みやすいように、区が助成などの制度を設けて住民をサポートしています。代表的なものとしては、子育て世帯を対象とした「子ども医療費助成制度」が挙げられます。この制度を具体的に説明すると、0歳〜中学生までの子どもを対象に、一部の例外を除いた自己負担を免除する制度です。このように、さまざまな視点から住みやすいよう工夫されていることも、北千住が人気になった要因だと思います。

1-1.5線路が通る巨大ターミナル

北千住の交通の利便性が高いと言われている理由は、2005年に開通したつくばエクスプレス線をはじめ、東京メトロ日比谷線や千代田線など全5線路が通っているからです。そのため、都内のオフィス街として有名な大手町や日比谷駅までも約20分で乗り換えずに行くことができます。しかし、人気の理由はそれだけではありません。東武スカイツリーラインやつくばエクスプレス線が埼玉県や千葉県へ直通しているため、地方と都心を結ぶ玄関口としても多くの人に利用されています。

1-2.実際、足立区の治安はどうなの?

足立区の不動産購入を検討するうえで、やはり気になるのが「治安の悪さ」だと思います。事実、警視庁が発表した「都内犯罪件数」を見ると。2009年から連続でワースト1を獲得しているため、どのような治安なのか容易に想像がつきます。

しかし、足立区はこの事実を真摯に受け止め、犯罪防止やマイナスなイメージを払拭するために余念がありません。実際に、2008年から警視庁と連携して実施している「ビューティフル・ウィンドウズ運動」は高い効果を発揮しています。

この運動は、自治体や地域住民のボランティアとも連携し、街のパトロールや清掃を行うことで北千住を犯罪が起きにくい街にする取り組みのことです。その結果、翌年には最下位を脱出し、犯罪件数を大幅に減少することに成功しています。このことから、完全に悪いイメージを払拭できていませんが、安全性が高い街に変貌すると期待されています。

1-3.幅広い年代にニーズがある

北千住は、下町の面影がある商店街や子どもが遊べる施設が充実しているため、ファミリー層をはじめ高齢者世帯にも人気があるエリアです。一方、学生を対象とした賃貸ニーズも増えており、今後もどんどん増えていくことが見込まれます。なぜなら、北千住は2006年に東京藝術大学の千住キャンパスの開校以降、帝京科学大学や東京未来大学など5つの大学を有する学園都市だからです。

さらに、2021年には、北千住駅からつくばエクスプレス線で約5分に位置する六町駅に、「文教大学 東京あだちキャンパス」の招致も決定しているため、さらなるニーズ拡大が見込まれます。

2.北千住の再開発地域

北千住駅は、1980年に西口の再開発計画の発足以降、現在も周辺地域の計画が進んでいます。そのため、公共施設の整備や駅前の拡張により、街がどんどん新しく生まれ変わっているのです。代表的なものとしては、駅前に建設された千住ミルディス1番館と2番館です。それぞれ地上13階と26階の高層施設建築物であり、商業施設や住宅・業務ビルとして活用されています。主な西口の再開発地域の場所や進捗状況が以下の画像になるので、確認してみてください。

引用:社団法人 全国市街地再開発協会

もちろん、再開発はこれだけに留まりません。2021年には、足立区千住一丁目の地域で、住居や商業施設、子育て支援施設が入る予定の地上30階の「千住ザ・タワー」と呼ばれるタワーマンションの入居の開始が決定しています。具体的な詳細は、以下の画像を確認してみてください。

引用:三菱地所レジデンス

また、北千住の西口だけでなく東口でも計画されています。独自のまちづくり部門を土地利用、交通環境整備、安全・安心のまちづくり、魅力づくりの4つの方針に分け、さまざまな視点から住みやすさを追求しているのです。具体的な東口の再開発地区の詳細は、以下の画像でご確認ください。


参考:足立区

3.北千住の今後の価値は?

では、実際に再開発の開始以降、北千住周辺の価値がどのくらい変わったのでしょうか?不動産購入を検討するうえで、将来的に価格の上昇が見込めるのかを見極めることは、非常に重要なポイントです。ここでは、各データを基に定量的な分析を行いながら解説しているので、確認するようにしてください。

3-1.足立区全体の人口の推移

参考:公開情報を参考に弊社作成

足立区が発表した「足立区年齢別人口」を見ると、街の治安改革運動をはじめた2008年から12年間で約27,000人以上の人口が増加していることが分かります。さらに、2021年にタワーマンションの入居が始まることや文教大学招致の決定を考慮すると、今度も年々上昇していくことが見込まれています。

3-1-1.足立区全体の人口予測


引用:足立人口ビジョン・総合戦略

なぜ将来的に北千住の人口が増加傾向に向かうことが見込まれているのか、足立区が独自で算出した予測を基に考えてみました。実は、足立区が平成27年に発表したデータを見ると、高齢者の人口増加や少子化問題を考慮して、令和41年には約56万に減少すると発表されているのです。しかし、予測された当時と現在では状況が全く異なっています。人気がある街として知名度が上がったうえ、再開発が次々と発展しているからです。さらに、人口減少に対する問題に区が対策を講じていることを考慮すると、足立区が算出した予測を大幅に上回ることが期待されているのにも頷けます。

3-2.交通機関の乗車率から見る利便性


参考:公開情報を参考に弊社作成

関東交通広告協議会が発表した「各鉄道の平均乗降人員」のデータの中から、JRの乗車率を調べてみました。東京藝術大学の千住キャンパスが開校した2006年から毎年上昇傾向にあり、2019年時点で約220,000人が北千住駅を利用していることが分かります。さらに、北千住のバスなどの交通網は、足立区内に限らず荒川区や北区、羽田空港に直通していることも注目ポイントです。このように、様々な交通手段を選択できることに加え、広い範囲を移動することができることは、高い利便性を有していると言えます。

3-3.北千住の土地の価格はどうなのか?


参考:公開情報を参考に弊社作成

実際、北千住の土地の価値は上がっているのでしょうか?下記のグラフは、第一種住居地域に区分されている「足立-52(足立区千住旭町28-12)」の人口が増加した2008年以降のデータをまとめたものです。2010年以降、4年間一定水準を推移していましが、住みたい街ランキングで一躍人気が出たことや千住ザ・タワーの建設事業の発足に伴い、標準地は6年間で30%程度上昇していることが分かります。

3-4.北千住駅周辺の中古マンションの価格推移


引用:ライフルホームズ 住まいのインデックス

最後に、北千住駅周辺の中古マンションの価格推移をライフホームズが発表している「住まいのインデックス」のデータを基に見ていきます。下記のグラフは、足立区の中古不動産を対象とした価格をまとめたものです。上記のグラフを見ると、足立区の中古マンションは、直近3年間で約5.8%上昇していることが分かります。さらに、子ども支援施設増加や区のサポートなどを考慮すると、今後も上昇傾向は続くと予測されているのです。

4.北千住は再開発エリアの目玉!継続する再開発で今後価値も上昇継続か?

犯罪の多さによって治安が悪いイメージがあり、住むのをためらう人も多い北千住駅周辺が近年、住みたい街へと大きな変貌を遂げました。長年続くイメージは完全に払拭することは出来ていませんが、幅広い世代に魅力的な街であることは間違いありません。さらに、今後も東口周辺地域の再開発計画が進められていることや大学の招致に伴い、北千住の人気はどんどん加速していくことが見込まれています。そのため、周辺の土地の価値は更に上昇傾向が続くことが期待できそうです。

念のため、足立区のまちづくり課千住地区係の方にも状況をヒアリングしてみました。北千住駅東口駅前地区について、当該地区には再開発準備組合が以下、2つ立ち上がっております。事業主体は準備組合(民間)であるため、具体的な状況・進捗については準備組合の事務局に直接確認する必要があるようです。

4-1.準備組合(北側)事業者、以下連絡先です。

三井不動産レジデンシャル株式会社 プロジェクト推進部 プロジェクト推進室 担当:小原
03−3246−3367 

4-2.準備組合(南側)事業者、以下連絡先です。

住友不動産株式会社 用地開発事業本部 第三事業所 担当:原
03-3346-1822

足立区としては、準備組合から相談を受けており、再開発事業を含め、まちづくりにおいてどのような手法がふさわしいか、有識等にご意見を頂いている状況で、今後も進捗等あれば、ホームページ等で情報を提供していくとのことでした。

最後に、一点だけ、北千住地区は荒川と隣接しているため、川の氾濫による危険性も不安要素に考える人は少なくありません。ですが、中央防災会議の「荒川氾濫の被害予想」の公表を受けて、トンネル入口に防災ゲートを設置したことや小学校などに水害時の浸水深を設置するなどの対策を講じていることを考慮すると、過度な心配は不要だと思います。

以上のことを考慮すると、武蔵小杉や豊洲など人気が高い再開発エリアと比較すると、低価格で不動産を購入できる北千住駅周辺は目玉エリアとも言えます。もし、北千住周辺の不動産の購入を検討しているのであれば、一度現地を確認し、街の状況を自分の目で確認することをお勧めします。

参考:足立区