不動産市況ウォッチ

2020/12/16

本当に住みやすい街1位の赤羽、再開発でせんべろの街まで様変わり?

東京都北区に位置する赤羽は下町の温かみを残した雰囲気と味わいがある飲み屋街で賑わう、「せんべろ」の代表的エリアです。ちなみに、せんべろとは「1,000円程度の価格でべろべろに酔っぱらえる」という略称で聞き慣れない少し変わった言葉だと思います。要するに、赤羽は低価格で時間帯を気にせず、気持ちよくお酒をたしなむことができる飲兵衛の聖地というわけです。

しかし、赤羽はお酒好きな方だけに人気があるわけではありません。2015年に人気俳優の山田孝之さんが出演する「山田孝之の東京都北区赤羽」のオンエアをきっかけに、幅広い層の認知度と人気度が急上昇しました。その後、再開発計画により、新しい街へと変貌を遂げているため、さらなる人気度の上昇に拍車をかけています。


赤羽駅付近の商店街入り口

では、実際にこのように人気度が高くなったことや再開発の影響により、赤羽の価値はどのように変化したのでしょうか?それに、将来的に街の価値が上昇していくのか、気になるポイントだと思います。結論から言うと、既に赤羽は大きな影響を受け、街の価値が上昇しています。

なぜなら、2019年に住宅ローン専門金融機関のアルヒ社が発表した「本当に住みやすい街2019」で1位を獲得するまでに成長しているからです。審査基準の住環境や利便性など5つの項目の中でも、将来的に「街としての価値が向上していく」ことが見込まれる「発展性」は満点の評点を得ています。このことから、今後も赤羽は再開発が進み、街全体の価値が向上していくことは疑いようがありません。

そこで、この記事では「実際に赤羽がどのくらいの価値があるのか?」、「赤羽がなぜ人気地域になっているのか?」を購入して大丈夫かどうかの観点から詳しく解説していきます。この記事を読み、将来性のある赤羽の魅力に気づく事ができるはずです。最後まで読んでいただき、再開発エリアの一つである赤羽の不動産購入の参考にしてみてください。

1.なぜ、今赤羽が人気急上昇しているのか?


赤羽駅東口改札口付近

北区にある赤羽が人気を集めている主な理由は、以下の3つだと思います。

1-1.北区は子育て支援に力を入れている。
1-2.池袋だけでなく、都心にアクセスがしやすい。
1-3.学生やファミリー層にニーズが増えている。

2000年以降、赤羽駅西口に建設された「赤羽団地」が老朽化したことにより、駅前の再開発が計画、実行されました。赤羽の再開発では団地の建て直しや周辺地域に大型ショッピングモールを招致することに加え、次々と中高層マンションを建設されました。そのため、利便性の良さや住みやすさも考慮され、幅広い層から人気を集めているのです。
ここでは、それぞれを詳細に解説していきます。

1-1.北区は子育て支援に力を入れている

赤羽がある北区は子育て世代が安心して子育てをできる環境を整えるため、「親元近居助成」制度を導入しています。この制度は、同じ区内に親世代と近居または同居して、親のサポートを得られるように1世帯1回限り20万円を助成する制度です。本制度のおかげで実家付近に住居を構えることを検討する世帯が多く、子育てがしやすいといった理由からファミリー層に人気がでました。

1-2.都心にアクセスしやすい

赤羽駅はあまり知られていませんが、JR京浜東北線やJR湘南新宿ラインなど5本の線が開通しています。そのため、乗降客数が二番目に多い池袋駅や上野まで約10分、東京や新宿まで約20分でいくことが可能です。さらに、赤羽駅始発の快速も出ているため、主要駅に乗り換えなしで行けることや満員電車を避けることができます。このように通勤や通学時のストレスを軽減できる上、利便性も非常に高いことが人気の一因です。

1-3.学生やファミリー層にニーズが増えている

赤羽駅周辺は既述の通り、ファミリー層に人気のあるエリアになります。自然やショッピングモール、商店街が充実しているため、ファミリー層をはじめ幅広い年代にとって住みやすい住環境が用意されているからです。一方、今後は学生を対象とした賃貸ニーズがどんどん増えていくことが見込まれています。2017年4月に「東洋大学赤羽台キャンパス」が開校したからです。「東洋大学赤羽台キャンパス」では、現在も学生寮の建設やライフデザイン学部の新校舎などの建設が進められています。コロナ禍でも、2023年には福祉社会デザイン学部や健康スポーツ科学部の開校も予定されているため、さらなる学生需要の拡大が見込まれています。

2.赤羽の再開発地域の概要

現在、主に赤羽駅周辺の地域で再開発が進んでいるため、どんどん街が新しく生まれ変わっています。具体的には、西口に建設された赤羽団地や東口の廃校跡地などです。赤羽団地はUR都市機構の再開発により、マンションのような外観を持つ「ヌヴェール赤羽台」に、そして、廃坑跡地は東洋大学のキャンパスに変貌と遂げました。このパターンは中野や金町の再開発に似ています。他にも、商店の整備や交通ターミナルの整備など、細かいところも再開発されています。具体的に、西口の再開発エリアは以下の画像の地区になります。

引用:パルロード赤羽

他にも、現在北区赤羽一丁目では、地上26階のタワーマンションの建設や商業施設を招致する「赤羽一丁目第一地区市街地再開発事業」が決定しました。

引用:パルロード赤羽

引用:第一種市街地再開発事業(赤羽一丁目第一地区)の都市計画決定

この事業は、第1から3地区までの広範囲で再開発が行われます。その中で、都心のタワーマンションと同様のマンション建設を2023年に工事の着工、2025年の完成を目指し、周辺地域に住宅や商業施設を建設して新たに町の活性化を図る狙いがあります。

3.赤羽の今後の価値は実際の所、どうなのか?

では、赤羽駅周辺の価値は実際、どのくらいあるのでしょうか?今回は再開発以降、赤羽がどのように変わったのか、それぞれのデータを基に詳しく見ていきます。この辺りから定量的な分析になりますが、グラフを増やして、説明していますので最後まで読んで参考にして頂けると幸甚です。

3-1.北区全体の人口の推移


参考:北区発表の数字より弊社作成(2006年から2020年まで)

まず、北区全体の人口の推移から見ていきます。北区が発表した「世帯と人口の増減表」を見ると、2000年から20年間で約25,000人以上の人口が増え、現在は350,000人が住んでいることが分かります。さらに、北区の人口は年々上昇傾向にあります。特に、北区の中でも再開発がどんどん進み、住みやすい街として認められた赤羽は都心へのアクセスの良さや生活のしやすさも考慮され、今後も移住者が増加することが見込まれています。

3-1-1.北区全体の人口の予測

参照:北区人口ビジョン P24~30

では、実際に赤羽が将来的になぜ人口の増加が見込めるのか?国立社会保障・人口問題研究所と北区が独自で算出した人口予測を基に見ていきます。まず、人口問題研究所の予測によると、高齢者の人口増加や出生率の低下を考慮して、2035年以降、人口は30万人を下回るとの統計結果を発表しています。一方、北区独自の数字によると、この結果を考慮して、問題点や改善策を打ち出し、ファミリー層や若年層の定住化、出生数の増加に向けて対策を講じています。それにより、上のような人口問題研究所の結果や区の対策を踏まえた、北区独自で将来の人口ビジョンを算出しています。

データーを見ると、長期的に減少傾向にありますが、対策を講じることで、大幅な減少を食い止め、一定数の人口を維持できるとの統計結果を発表していました。このデーターだけを読み取ると、人口増加が見込めないことに不安を感じる方もいらっしゃると思います。ですが、区がサポートすることに加え、将来的な大学の開校や住みやすい街として一躍人気が出たことを考慮すると、北区が算出した人口予測を上回ることも期待できます。

3-2.交通機関の乗客率を知ることで、利便性を把握することができる


参考:JR東発表の数字を基に弊社作成(1999年から2019年まで)

次に、JRが発表した「各駅の乗車人数」のデータを見ていきます。赤羽駅はJR京浜東北線や湘南新宿ラインをはじめ、埼京線や高崎線、東北線の5つの在来線を利用することができ、都心や神奈川県、埼玉県に直通でアクセスすることが可能です。これに再開発の進展も加わり、赤羽駅の乗車人数は毎年数値を更新し、2019年時点で100,000人近い水準まで来ていることがわかります。さらに赤羽駅は「北区のターミナル駅」として、バスなどの将来的に自動運転が見込れ、利便性が向上する交通網が充実しているのも重要なポイントだと思います。このように電車やバスなどさまざまな交通手段を選択できるため、赤羽駅周辺は高い利便性を有しているといえます。

3-3.赤羽の土地の価格はどうなのか?


参考:地価公示を参考に弊社作成(2000年から2020年まで)

次に、赤羽の土地の価格について見ていきます。ここでは、再開発が活性化してきた2000年以降から商業地域になっている「北5-1(北区赤羽1-8-3)」の地域の過去20年のデータを下記のグラフにまとめました。2008年のリーマンショック以降、4年間公示価格が低下しました。しかし、2015年に「赤羽駅東口地区のまちづくりゾーニング構想」の策定や駅前の商業施設のリニューアルに伴い、2020年現在まで地価が上昇し、10年間で約135万円/㎡、70%も価格が上がっていることが分かります。

3-4.赤羽駅周辺の中古マンションの価格推移

最後に、実際に中古マンションの価格推移をライフルホームズが発表している「住まいのインデックス」のデータを基に見ていきます。下記のグラフは東京都と北区の中古マンションの価格推移をまとめたものです。

上記のデータを見ると、直近3年間で北区の標準的(ファミリー向け)な物件は約4%近い上昇を見せています。東京都全体の価格推移と比べると、やや物足りませんが、2012年以降右肩上がりで上昇していることや今後も再開発が進んでいくことを考慮すると、しばらくは上昇傾向を継続していくことが考えられます。

4.再開発が進む赤羽駅周辺の不動産、結び

再開発が始動した当初に比べ、赤羽周辺は街全体がリニューアルされ、一躍人気地区へと変貌を遂げました。現在も再開発計画は進展され、今後、大学やショッピングモールの招致や子育て世代の支援も伴い、今後も更に人気が加速していくことが見込めます。それに伴い、赤羽駅周辺の土地価値は更に上昇していくと思われます。

しかし、赤羽地区は荒川と隣接しているため、川の氾濫による災害の危険性も懸念材料に考える人は少なくありません。ただし、赤羽駅の西口は高台にあることや災害防止に備えて、区が「洪水ハザードマップ」を作成し、定期的に災害訓練を実施していることを考慮すると、過剰な心配は不必要だと思います。北区のハザードマップ等についてはこちらをご確認下さい。

これらのことから、将来性も考え、赤羽周辺の不動産を買うのであれば、今がチャンスといえます。この記事で得た知識を参考に、赤羽駅周辺の不動産物件の購入を検討してみてください。